外傷
外傷
外傷とは「何らかの物理的外力が作用して生じた生体の損傷」と定義されております。
日常生活やスポーツ、交通事故、労災などで生じる外傷、いわゆる「ケガ」の多くは整形外科の疾患です。
骨折、脱臼、捻挫、打撲、切り傷や擦り傷などいずれも当院で対応可能です。
一方、整形外科で扱わない外傷としては、頭を打ち付けた頭部外傷、胸や腹部を打ち付けた臓器の外傷などがあります。
骨に何らかの要因で骨の連続性が失われた状態です。
明らかに変形の分かる完全骨折、変形の分かりづらい不完全骨折(子供に多い)などいろいろなものがあります。
骨の周りには神経と血管が豊富であるため、骨折時には腫れが目立ち、痛みが出現します。
<原因>
骨に強い外力がかかって発生する一般的な外傷性骨折
明らかな外傷起点がなく反復する外力により生じる疲労骨折・脆弱性骨折
がんや感染、代謝疾患などを原因とする病的骨折
などがあります。
<診断>
多くはレントゲンで可能です。レントゲンで分かりづらい場合もあるため、その場合にはCTやMRIで確認します。
小児の場合にはレントゲンで写りづらい場合も多いため、ケガをしていない方と比較することがあります。
<治療>
整復、固定、リハビリテーションが基本です。
まずは整復で可能な限り正確な位置を獲得することを目指します。徒手整復で正確な位置に戻せない場合には手術の検討が必要となります。
整復が取れた後にはギプス(固定包帯)、シーネ(副子)などで固定をします。この段階で固定が維持できない場合にも手術の検討が必要となります。
整復・固定ができた後はリハビリテーションが大切です。
以前はしっかり安静させてという考えが主流でしたが、
昨今では「早期の関節運動と筋力訓練よって、運動機能を受傷前の状態に回復させること」が目標となっております。
これは、骨折治療ではケガをした部分の動きが制限されがちであり、関節拘縮(関節がかたまってしまうこと)や筋萎縮(筋肉が弱ってしまうこと)が生じやすいことから、「関節拘縮や筋萎縮は予防が最善の治療」と考えられるようになったからです。
当院では骨折の整復、固定を得意とする医師と柔道整復師、骨折後のリハビリを得意とする理学療法士がおります。
当院での手術は難しい状態ですが、病態に応じ適切な医療機関との連携をとり治療を進めさせていただきます。
骨折部に微弱な超音波を照射することで骨癒合期間が約40%短縮されたとする研究報告もあることから、当院では超音波骨折治療器(低出力パルス超音波:LIPUS)を導入しております。
骨折が疑われる方も、他院で骨折の治療を受けリハビリを必要とする方もお気軽にご相談ください!
関節に力がかかり、関節の周りにある関節包(かんせつほう)や靭帯(じんたい)が損傷され、骨と骨がずれてしまった状態を「脱臼(だっきゅう)」といいます。脱臼した部分には痛みや腫れ、動かすことができないといった「骨折」と似た症状が生じるため、見分けるためにはしっかりとした診察・検査が必要です。
<原因>
転倒や交通外傷、スポーツなどで大きな力がかかって生じることが多いです。
脱臼を繰り返すことにより、弱い力でも脱臼をするようになることもあります。
<診断>
レントゲンで診断を行います。脱臼だけでなく骨折が隠れている場合もあるため注意深く確認します。
脱臼の際には周囲の神経や血管を傷めている場合もあるため、身体所見で確認をします。
<治療>
早期に脱臼の整復をすることが大切です。
整復が困難な場合には手術を検討することもあります。
整復した後にはレントゲンで適切に整復ができているかの確認をしたり、骨折の有無の確認をしたりします。
整復ができた後には一時的に固定・安静として周囲の組織の回復を促しますが、固定・安静とした部分は関節拘縮(関節がかたまってしまうこと)や筋萎縮(筋肉が弱ってしまうこと)が生じやすいため、リハビリテーションも重要な治療となります。
当院では脱臼の整復に精通した医師と柔道整復師、リハビリを得意とする理学療法士がおります。
当院での手術は難しい状態ですが、病態に応じ適切な医療機関との連携をとり治療を進めさせていただきます。
お気軽にご相談ください。